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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-06-28 【政見放送、逸見政孝、似てません? いつも見間違える】

もうすぐ、選挙! NHKの政見放送が、なんともむず痒い(笑)。見ている側が恥ずかしくなるような小芝居をしながらの、穏やかな話し方。どの政党もそんな感じ。あれ、なんでしょうねぇ? 情熱的に「演説」をぶっこいた方がアピールするような気もするのですけどねぇ?

ネットの普及で当店も改革が求められていると申しましたが、政見放送なども、もっともっとネットを利用した方がよろしいと思いますよ。それでなくても、有権者の年齢が引き下げられたわけでございますからね。あと、漫画・アニメ。若い人に見てもらおうと思ったら、もうこれしかないっしょ。アニメの政見放送とか、ちょっと興味深いのでございます。

その有権者の年齢引き下げに関して、文科省と日弁連のちょっとしたジャブの撃ち合いがございました。高校などの政治教育に関して、それぞれが「通知」「意見書」を出しているのでございます。

文科省の通知

「個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導すること」

日弁連の意見書

「極端な中立は『教育の自由』を制限してしまう。生徒から『先生は道なんですか?』と聞かれたら、押し付けでない限り、教師の意見を答えるのも教育」

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どちらの立場も、至極真っ当でございますよ。ただ、どちらも「中立」という考え方を「持て余している」感じはいたします。中立にもふた通りございまして、全く意見を述べずに「無言」を貫き通す中立もあれば、意見を出し尽くした上で結論を求めないという「中立」もございます。どうも日本の教育界は、前者の「中立」にしか考えが及ばないようでございます。

後者の「中立」は、教育現場では「ディベート」という形で実施することが出来るのでございます。ディベートちゅうのを、ご説明いたしやしょう。ある議題に関して、教室の中で賛成派と反対派に別れるわけでございます。この際、自分の主義主張は全く関係ございません。自分の考えと反対に割り振られることも、当然ございます。

そして、賛成派・反対派がそれぞれ、「功」と「罪」を分析し、それを材料にして相手と討論するわけでございます。「これを主張したら、こう反駁(はんばく)してくるだろう」などと考えながら戦術を練るわけでございますね。これは、「自分の主義・主張とは関係なく割り振る」というところがミソ。感情ではなく論理的に詰めていく能力、そして相手の立場で考えられるという客観視能力を訓練するわけでございます。

この「後者の中立」の立場だと、教室での教師の対応はこんな感じになるのでございます。まず、各政党の主張に関して「功」と「罪」を出し尽くす。とにかく、出し尽くす。これ、重要。そして、その上で、教師も自分の考えを言わない。教室内での結論も出さない。これも、重要。ドラマの最終回を見損なったような中途半端な気持ちで生徒を放り出す。これによって、生徒の思索は、授業後も、あるいは学校卒業後も、その生徒に影響を与え続けることが出来るのでございます。

日本の学校教育は、「生徒に自分で考えさせる」という事が手薄だと思うのでございます。農耕民族だということが影響しているのでしょうかねぇ? だから、見聞きした情報に無批判に染められてしまうことも多い。あと、オレオレ詐欺にこれだけ引っかかるというのも、こうした国民性があるからかも知れませんよ。「ゆとり教育」ってのは、こうした「自分で考える」って事を目指していたはずなんですけどねぇ。

ということで、今日もまた、微笑ましい小芝居政見放送を、ニヤニヤしながら見てみましょうか。あの小芝居が、最近はちょっと面白くなってきたのでございます。では、では。


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