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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-06-07 【解決させないことが、最良の解決だったりします】

舛添さん、メッチャクッチャ責められているのでございます。まぁ、最近いろんな分野でよくあることですが、こういう「全国民的集団ヒステリー」っていうのは、もうそろそろやめましょうよ。国益を考えても、何ひとついい事はないのでございます。

ミクロ・微視的 vs マクロ・巨視的

今の日本人、一般大衆も政治家も、極端な「微視的展望」で行動し過ぎでございます。舛添さんの問題も、あまりにも執拗な追及を見ておりますと、単なる「ウップン晴らし」にしか見えない。もちろん、潔さのかけらも無い舛添さんの対応も、決して褒められたものではございません。でもね、ここは、「相手のメンツを立てつつ、上手に使う」という考え方をしてもいいのではないでしょうか。

東京都知事というのは、他の県の知事とは格が違うのでございます。政治的には、首相の次に位置する「国の顔」なのでございます。舛添さんの人間の小ささが原因では有るのですが、なにもそれをわざわざ、世界中に発信する必要はない。国の顔でもある人が、しどろもどろに会見する様子が世界中のニュースで報道されるという事実、どうしてこれを「恥ずかしいこと」「国益として大きなマイナス」と考える人が少ないのでしょうか? ほんと、今の日本人(の多く)は、自分の足下しか見ていないのでございます。

舛添さんのやらかしたことは、「可愛らしいゴマカシ」でございます。ズルさはありますが、「腹黒さ」というようなブラックな要素はあまり感じられないのでございます。「領収書をごまかして小遣い稼ぎはするけど、贈賄や機密漏洩のような大それた事は出来ない」といったレベルの人ではないでしょうか。ですので、とことん追及して追い詰めなくても、「コラッ、ダメでしょ、こんなことしちゃ。今度から気をつけてネ(ハートマーク)」といった対応をしておけば、いい仕事をしてくれるはずでございます。ワタクシとしては、この小さな悪事に国民が翻弄されて陰で巨悪がほくそ笑んでいるとしたら、それこそ国益の大きな損失だと思うのでございます。

だって、多くの秘書がいて、取り巻き連中がいて、それなりのチェックやアドバイスが日常的に行われていたはずでございます。それでも、この様な大ごとになるということは、「大ごとになると嬉しい人(たち)」がいるのかもしれない。そういう、ひとつ俯瞰した巨視的な見方も必要だと思うのでございます。一歩下がると、都知事だけじゃなく、その側近の人、あるいは対立する政党の人とかも見えてくる。あるいは、もっと下がり、国外からの策謀まで考慮しなくてはならないかもしれません。

どうでしょう? 一歩下がることに、都知事を取り囲む周りの人、周りの国までもが見えてきて、簡単にヒステリーでウップン晴らしをしていてはいけないことに気がつくのでございます。個人的な領収書ゴマカシではなく、政治的な策謀、あるいは国家的な危機、というように、どんどんマクロ的・巨視的に見ていく必要があるのでございます。それは、桝添さんが単なる「個人」ではなく、「国の顔」に他ならないからでございます。

今の日本、悪意のある外国が要領よく立ち振る舞おうとしたら、簡単かもしれません。どこにでもあるような政治家のスキャンダルを見つけ、雑誌に漏洩し、国民的ヒステリーに誘導する。すると、その政治家はその火消しに手一杯になり、他の事項が手薄になる。あるいは失脚させられるかもしれない。そんなことを繰り返されているうちに、国の対外交渉力はどんどん下がっていく。

政治家だけではございませんよ。新製品を売り込もうとしている企業が、ライバル会社をこのような手口で翻弄させるかもしれない。あるいは、東北大震災の後、天然ガスを高額で売りつけたい諸外国が、「脱原発」を必要以上に煽るとか。まぁ、これは推測ですけどね。でも、何か事件が起きる度に国民全員が微視的に大騒ぎしていたら、「本当の黒幕」にとっては思う壺なのでございます。

棚上げという超マクロ的解決

会社やお店でも、似たようなことはあると思いますよ。誰かと誰かが喧嘩した。でも、その喧嘩を裏で糸引いている本当の「黒幕」がいるかもしれません。風俗や水商売といった人気商売の現場では、ときどき起こることでございます。まぁ黒幕というのは言い過ぎでも、他人のゴタゴタが楽しいというのは人間の常。そういう人が「黒幕的な言動」をしてしまうというのはよくあることでございます。そういうとき、いかに巨視的な考え方も出来るかということが、トラブルを穏便に解決するのにはキモになってまいります。

あるいは、経営でも似たようなことがございます。目先の利益にこだわると、長期的な展望を失うかもしれません。でも、微視的な見方を完全に捨てるわけにはいかない。なぜなら、「従業員というものは、必ず微視的にしか考えない」からでございます。そこで、巨視的展望と微視的希望とのバランスを取るということが必要になってくる。白黒決着を付けず、トラブルの両者を両方とも「生かす」方法を探るわけでございますね。時として、それは「問題を棚上げする」ということにつながることもございます。棚上げというのは、ときどき、全てを生かす魔法の手段となることもあるのでございます。

では、では。


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